レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第60話)
園花がベッドを起き上がってトイレに行った拍子に、作ったまま忘れていた朝食を見つけて声を上げた。
昨夜と打って変わって積極的に体を預けてくる園花に夢中になるあまり、愛良は朝食を作ったことをすっかり忘れてしまっていた。
それで慌てて起き上がって、温め直して二人で食べた。
「愛良サンドおいしいじゃん。幸せ」
園花はパンをめくってサンドの中身を覗きながら、うれしそうに食べてくれた。
園花の魅力は感情が豊かで、また表情も豊かなところだった。その姿はうれしい時も楽しい時も、その顔を曇らせている時も、見ているこちらまで巻き込んだ。
起き抜けのすっぴん顔でサンドをほお張る顔がまた可愛かった。
「せっかくだしどこかお出かけする?」
「あ、いいね。賛成」
「休日に出かけることもあるんでしょう? 普段、どこ行くの?」
「うーん、家から出るとしたら買い物くらい?」
園花に尋ねられて、その生活が引きこもり傾向にあることに気づいた。
買い物といっても、近所のスーパーに食料品の調達に出る程度で、休日はほとんど外出することがなかった。
体を動かすといったらストレッチをする程度で、あとはパソコンで仕事絡みの独習をする時間以外は、スマホのアプリでゲームをしたり、マッチングアプリで出会い探しをしたりオナニーをするのがせいぜいだった。
一日の大半をベッドで過ごす日も多く、起き上がっている時間より寝転がっている時間の方が長い気がした。
もっとも仕事があっても、外出する必要のない日は同じような生活を送っていたし、そもそも休日という概念が愛良には無いように思えて苦笑した。
「園花は?」
園花は少し考えて「最近出かけてないな」と洩らした。
「園花が行きたい場所に行こう」
愛良はそう言ったものの、園花の唇を眺めていたらキスがしたくなって、食卓テーブルに向かい合わせで座っていた椅子から、園花の隣の椅子に座り直した。
「ねえ園花、舌出して」
「え? ちょっと待って。またするの?」
「舌でキスしたいの。舌だけで」
園花は少しあきれた様子で「エッチ」と呟くと舌を出した。
舌先だけを絡ませてするキスは、園花が言う通り明らかにエッチな感じがして興奮した。
「んん、え、ん、んん、あ……」
少し絡めるだけでぴちゃぴちゃと唾液が弾ける卑猥な音がした。
園花の顔がみるみる紅潮していって、その表情を見ていると、ついさっきしたばかりなのにまたセックスがしたくなった。