官能小説(短編)/娘の友達で甘えん坊の弥生が可愛すぎてついつい——
「え、何っ!? 何してるの?」
「私、おばさんのことが好きなの」
夫が出張の日、二十四歳になる娘の伽奈(かな)の職場の同僚の弥生(やよい)が泊まりに来ていた。
弥生は二十一歳で、週末はお酒を飲みに遊びに来ることがよくあった。
秀美(ひでみ)はそんな弥生を我が子同然に可愛がり、ピクニックやバーベキューなど家族で遊びに出かける時にはよく誘った。
時計を見ると深夜二時を少し回っている。
「弥生ちゃん、え?」
ベッドから身を起こそうとすると弥生が体を乗せてくる。
「おばさん、甘えさせて。私、実家遠いから寂しいもん」
弥生は明るいブラウンのショートボブにいつもの人懐っこいくりっとした目で見つめてくる。
いつものように二階の伽奈の部屋で一緒に寝ているとばかり思っていた弥生が同じ布団の中にいることに驚いて、秀美は対処に困った。
「寂しいって……。でもこういうの、それに女性同士でおかしいでしょ?」
言葉を選びながら弥生にそう諭すが、弥生は聞き入れる様子もなくますます体を密着させてくる。
仰向けの秀美に覆いかぶさるように弥生が身を寄せていて恍惚とした表情を浮かべている。
「我慢したの。だめだって何度も言い聞かせたよ。でも、もう無理。だっておばさんのこと私好き過ぎるもん。お母さんみたい」
それは弥生が時おり見せる甘えん坊の表情だった。
弥生は上京して一人暮らしをしていた。
友達は伽奈だけで、家族をはじめ知り合いはみな富山県にいて普段は一人で過ごしている。
「好きって……。私も弥生ちゃんのこと好きだけど、こういうのって違う、でしょ? お母さんだと思ってくれるならなさらのこと——」
「ううん。私ね、上京する直前までお母さんと一緒に寝てた」
その言葉に秀美は少しあっけにとられたが、すぐに冷静に対処しないと大変なことになると思った。
ただ弥生が言う一緒に寝てたという意味を添い寝と捉えると、今度は自宅でいつも一人で寝ている姿が思い浮かんで少し可哀そうにも思えてしまう。
「弥生ちゃん、まさかお母さんと変なことしてないよね? 何ていうか——」
秀美が言葉を濁すと、弥生はうなずいて
「ううん、でも時々……、時々だけど、おっぱいだけ……」
と答えた。
秀美はびっくりして言葉を失った。
年齢的にというか世間一般的に考えるとそういう行為はどうしたものかと思いつつも、伽奈がもし弥生のように甘えてきたらどうするかと考えて頭が少し混乱した。
「ねえ、いいでしょう? おっぱい我慢するから……」
弥生が今にも泣き出しそうな表情を滲ませて迫ってくる。