弥生の声に耳を塞ごうとしたが意識すればするほど変な気分に襲われる。
そのいやらしい舌づかいに敏感な乳首が期待しているように思えてますます嫌になった。
「お母さん、抱きしめて……大好き、ねえお母さん……」
乳首を吸い上げるたびに息が上がっていく。
弥生の舌づかいは明らかに卑猥な愛撫で、そう意識してしまうと陰部が潤み始めてしまう。
秀美は目を閉じると弥生を力いっぱい抱き締めてせめて無心になろうと思った。
考えることをやめて初めて体が極度に緊張していたことに気づいた。
深呼吸をする。
(相手は……そう、弥生ちゃん——)
なるようになれ——
それから弥生の母親になりきって声をかけてみた。
「ごめん……ね、お母さんだったね……、弥生ちゃん、おっぱい……どう?」
「うん……、おいしい……もっと吸っていい?」
「うん、おっぱいしてあげる」
でもその直後に、弥生の手がショーツの中まで滑り込んできた。
「ああんッ」
思っていたよりはるかにいやらしい指づかいだった。
弥生の指先に濡れを探り当てられて秀美は思わず体を仰け反らせる。
「ねえ、お母さん。大好き……、もっと甘えてもいい?」
小さな指が陰部の粘膜を這い回りやがてクリトリスの突起に触れる。
「ああ……ッ! うん、甘えて……はあっいいの、いいのよっ! 弥生ちゃんッ」
クリトリスをすりすりと撫でられると性感とともに気持ちが安らいでいくのが分かった。
寝床に入ってきた弥生の表情を思い返して自分の直感が間違っていなかったことに安堵すると、こみ上げてくる性感に心置きなく身をゆだねられた。
最初からそんな気がしていた。
弥生の母親との行為の真偽は定かではないが、とやかく言う立場ではないし愛娘のように可愛いことに変わりはない。
愛する弥生の望みなら何でも叶えてあげたいとつねづね感じて過ごしてきた。
「お母さんのクリトリス、硬くなってる……、ねえ、キスしたいよ……」
「ああん、はあっはあッ! もっと甘えて……、弥生、大好き、ああッ」
意識がもうろうとする中で、頭がひとりでに弥生がもし伽奈だったらと妄想し始めて、秀美は再び暗雲が立ち込める闇に足を踏み入れないように慌ててそれをかき消した。
波のようにくり返しくりかえし打ち寄せる無意味な葛藤は、おそらくこの先も消えることはないだろうが、せめて今夜のうちに慣れておこうと秀美は唇をかみしめて弥生への愛を誓った。