翔太と一馬

マニアック

官能小説(短編)/キッカケは欲求不満。オトコ二人が出会った話

 男でも女でも、誰でもいいという訳ではなかったが、それでも会うとお互い何より先に体を求め合った。
 相手がどんな淫らな要求にも応えてくれることを知っていたから、会うと自然に疼き始める体になっていた。「どんな淫らな要求にも」という点が重要で、お互い何でも応えて慰め合うことをルールにしていた。

「今日は手でしようか?」

「オッケー。じゃあ下だけすっぽんぽん。丸出しで」

 会う前に必ず風呂に入りペニスを念入りに洗って、ひげを剃ったり体臭を気づかってから落ち合うことにしていた。

 翔太が一馬と知り会ったのは地域限定のツーショットチャットで、その日、本当はすぐに会える女性を探していたが、部屋に入ってきたのが一馬だった。一馬は31歳で翔太より三つ年上だった。

 入室してきた理由について、翔太が書いた待機メッセージに「すぐにでも会って咥えられたい」と書いていたため、男ではダメかと相談を持ちかけるためだと答えた。

「そっちの気は無いんでごめんなさい」

 翔太はひと言返事でそう返したものの、一馬が女性友達に囲まれるほどのハイレベルな女装子だと言ったため、容姿が女性で射精できるならと渋々応じた形だった。翔太はまるで入室者のない部屋で、その日三時間以上待ちぼうけをくらっていたせいもあって、少し感覚が鈍っていたというか、欲望が先だって向こう見ずになっていたところがあった。

 ところが待ち合わせ場所に現れた一馬は、女装などしておらず、ルックスは悪くはなかったがどこからどう見ても普通の男だった。身長170センチ位の中肉で、ツーブロックが入ったさらっとした髪をワックスで固め、ジーパンに黒いTシャツ姿で現れた。

「ちょっと話、違うじゃないですか?」

「しませんか? 見たことありますよね? その手の動画」

「いや、待ってくださいよ。見た目女だって言うから来たのに」

 一馬は翔太の言葉に、そもそも男が女装をしても所詮男なわけで、容姿は違えど同じ口に咥えられるのだから、せっかく来たんだし抜いてあげると詰め寄ってきた。

 結局、翔太が折れる形で、二人で車の後部座席に乗り込んだ。

 翔太が運転席の真後ろに座り、一馬がその隣に腰かけた。

 がたいが悪くない男二人に後部座席は狭かった。

 翔太は一馬の要望で、下半身のみすべてを脱いでドアに寄りかかるように浅めに座り、左足は背もたれの上に乗せるような姿勢をとった。

「一馬さん、男にしか、チンポにしか興味ないんですか?」

 一馬は翔太のペニスを咥えながら頷くと、丹念に舌を這わせながら、じゅぽじゅぽと激しい音を立てながらフェラチオを始めた。

 一馬のフェラチオは、右手でペニスを握りしめ上下に何度も往復させながら、かりに吸い付いて舌で舐め回すというものだった。左手は陰嚢を下からすくい上げるようにたぷたぷと持ち上げ、時おり玉を手のひらで揉みしだきながら弄んだ。

「翔太さんのペニス、うまいね、かりが張り出してて俺好み」

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