レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第63話)
亜沙美はスカートをまくり上げて露わになった陰部をまじまじと観察している。
「もっと足広げて」
美智代がため息をつきながら足を開くとその表情に笑みが浮かぶ。
亜沙美はスカートの裾をつかんで陰毛が完全に露出するまでまくり上げると、顔を上げて言った。
「そんな冷めた目で見ないでよ。私は大好きな美智代と一緒に気持ちよくなりたいだけ」
亜沙美の表情は穏やかだったが美智代が足を閉じようとすると両手で押さえつけてそれを阻もうとする。
「脅しとか奴隷とか言われた後にそんなふうに言われても……、ね」
「美智代が私のことをどう思おうと勝手だけど、一応念押ししておくね。今日一日いっしょに過ごしたら手放したくなくなった。ねえ仲良くなりたいの、いいでしょ?」
美智代は「旦那さんに浮気してること言うわよ」と言おうとしてぐっと堪えた。今はまだ何も始まっていないし、もしかしたら本当にただの遊びのつもりなのかも知れないと感じたからである。
それより今もっとも気がかりなのは覗かれたくなかった寝室を見てどんな女だと思われているかだった。
(落ち着いて、亜沙美はただ遊んでるだけ……)
亜沙美は髪をかき上げながら陰部に顔を近づけて唇で陰毛を弄び始めている。その唇は陰毛を下から上へ撫で上げながら、時おり毛先をくわえて引っ張った。
「それなら……べつに、普通に仲良くすればいいじゃない」
美智代は上半身を起こして後ずさりするように身を引きながらその唇を逃れた。
「美智代、ドMだから——」
亜沙美はそう言うといきなり覆いかぶさってきた。
寝室を飾り始めたきっかけはツーショットチャットで知り合ったある男の言葉に興奮させられたためだった。
その男は明らかな変態で「Slave」と名乗った。
美智代にまず着衣について尋ね、それから身に着けている下着の色や形、サイズ、それにオナニーの頻度や持っているオモチャなど、卑猥な質問をさんざん繰り出した後で
「いやらしい気分にまみれたいなら、そのオモチャをいつでも目に留まる目立つ場所に並べておけ」
と言った。さらにお仕置き用の歯ブラシを一本準備するように言い、後はメールで指示を出すといってチャット部屋を出て行った。
翌日の午前十時、Slaveから届いたメールには箇条書きで次のように書かれていた。