レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第22話)
「こんにちは、エリーゼの水川です」
「すみません、お忙しいのに無理言って。どうぞ上がって下さい」
由美子は白のシフォンブラウスに、黒いジャケットと黒のフレアスカート姿で現れた。手にはベージュ色のレザートートとエリーゼのロゴが入ったワインレッドの紙袋を持っていた。
彩佳は由美子をリビングへ案内してソファへかけてもらい、アップルティーはホットがいいかアイスがいいか尋ねた。それからアイスアップルティーとお菓子を出して、由美子の隣に座った。
「こちらがD70のフルカップブラジャー。それからこちらがMサイズのショーツです。ともにカーネーションピンクです」
色はブラック、ホワイト、ワインレッド、ベージュ、カーネーションピンク、パープルの中からカーネーションピンクを選んだ。最初はワインレッドにしようと思ったが、由美子がいい色だけどエリーゼのコーポレートカラーと同じ色で、そういうのを気にされる方には敬遠されがちだと話してくれた。
カーネーションピンクはお店にサンプル品はなかったが、由美子がすすめてくれたのでパンフレットの色合いだけを参考に決めることにした。
「出して見てもいいですか?」
「どうぞ、とってもいいお色ですよ」
一見すると清楚な薄いピンク色で、日差しを受けて反射した部分だけ気品ある艶やかなピンク色に輝いた。
彩佳は“筋書”にはなかったが素で嬉しかった。
「水川さんのいう通り、この色にして良かった。ありがとうございます」
彩佳が喜ぶ姿を見て、由美子も笑顔を浮かべながらほっと胸を撫でおろした様子だった。
それからしばらく下着のお手入れのし方や由美子のお仕事の話、エリーゼの代理店を始めたきっかけなどの話で盛り上がった。
「水川さん、今日はどんな下着を着けてらっしゃるんですか?」
「今日はたしか、中谷さんに買っていただいた下着と同じシリーズの色違いで、パープルの上下です」
彩佳はほんの思いつきで尋ねたつもりだったが、会話の流れとして悪くないなと感じて、興味本位でもう少し続けてみようと思った。
「水川さん、私じつはパープルも欲しいんです。見せていただけませんか?」
筋書にないアドリブだったが、彩佳は自然な流れだと思った。
由美子は少し戸惑った様子だったが、彩佳が“色合いの確認”を強調したため、ストラップくらいならと飲んでくれた。
彩佳は由美子からジャケットを受け取ってハンガーにかけ、由美子のすぐ脇に立ってどうやって見せてくれるのか胸を躍らせた。由美子はブラウスのボタンを上から二つまで開けて、ストラップがよく見えるように肩を開いて見せてくれた。
「あ、きれい。私ね、こういう落ち着いた色合いの紫、大好きなんです。あの、ちなみに水川さんって何カップなんですか?」
「えーそんな、そんな。私のカップだなんて、中谷さんのようなスリムでおきれいな女性に答えるのは、ちょっと恥ずかしいわ」
「ていうか水川さん、すっごくお綺麗ですよね。私、水川さんみたいな女性を目指しているので」
「そんな、そんな。やめて下さいな、恥ずかしいわ」