レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第61話)
「紗弥のほう、親は了承してくれた?」
紗弥が頷くとリビングで嬉しそうに手を叩いて飛び跳ねていた。
昨夜、イタリアンレストランで告白した後、二人で実家の親に電話をかけて互いの交際を明かそうという話でまとまって、紗弥はついさっき電話を終えたところだった。
両親は、成り行きまかせの十二年間、いつ終わるとも知れない根無し草のような二人暮らしに、ようやくピリオドを打てたねと言って応援してくれた。
澪の父親は少し反対したようだったが、一時間くらい説得を続けて何とか飲んでくれたと澪から聞いた。母親には「時代の流れなのかもね」と言われたと笑っていた。
「付き合ってるんだし一緒に寝ようよ」
澪は昨夜から「一緒に寝るべきだ」と言い出して、急きょ澪の部屋を二人の寝室と決めた。
二人で寝転がってからも「断捨離をしよう」とか「家具の配置を変えなきゃ」と盛り上がった。澪はいつでも、すると決めたら次の行動が早かった。
「ね、紗弥さ、私のこと本気で好きなの?」
「うん、大好き」
「じゃあさ、キスして」
昨夜はそれからキスをして、二人でもつれ合うように一緒に寝た。
紗弥は間近で見る澪のあまりの可愛さになかなか寝付けず、今朝は寝不足気味で出勤した。
紗弥が夕飯の支度をしている間、澪はもともと自室だった二人の寝室を片づけているようだ。
一週間以内に小物まで全部断捨離する物を決めて、十日以内にフリマに出すかリサイクル業者に取りに来てもらうと言って張り切っていた。
澪は要らなくなった物を段ボールに振り分けて、そそくさとリビング角に積んでいったが手際が良すぎて笑った。
「紗弥も十日以内に片付けようね!」
「できるかなあ」
「私も手伝うから!」
ここ数日、紗弥が澪に素直になれたことや積極的になれたのは、他でもないツーショットチャットで知り合ったSlaveのおかげだったから、さっきに親に報告の電話をした後で、Slaveにも「ありがとう」とメールをしておいた。
Slaveがかねてより欲しがっていた下着写メに、買って着けずにそのままタンスにしまっていたピンク色のブラジャーの画像を添付した。
Slaveは変態だったが二人の距離感をどうしたら縮められるか、何が問題で、そのために自分がまず何をすべきかということを教えてくれた。
メールには「早く奥さんと変態プレイが楽しめるように応援してるね!」と書いておいた。
「ねえ、紗弥。キスしよう。キスしたい」