Slaveと紗弥/レズビアン・紗弥

年の差レズビアン長編

レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第26話)

 紗弥が帰宅したのは21時を少し回った頃だった。

「紗弥、おかえり」

 澪は晩ご飯の支度をして紗弥の帰りを待っていてくれたらしく、食卓には二人分のご飯が準備されている。

「すぐ食べる? 刺し身だよ、紗弥が大好きな色々盛ってあるやつ。今日、駅前のスーパーでね、時間外セールやってて刺し身盛りが半額だったから買ってきたの」

「刺し身? 食べよ、食べよ」

 紗弥は軽く着替えだけして、すぐに食卓テーブルについた。

 食事の支度は適当に交替で、今日のような日は早く帰宅した澪が作り、後に帰宅した紗弥が片付けることにしていた。今の職場は二人とも仕事が終わる時刻が同じ午後18時だったため適当に交替できたし、遅くなる時だけSNSで伝えたり、先に済ませたりと上手くやれた。

「おいしそう。いただきます」

「いただきます」

 紗弥はスタジオで撮影を終えて、すぐにデザイン会社「ケーキ」の事務所に向かった。

 今日は簡単な事務処理だけやって帰る予定だったが、社長から経営するエステ店と駅前のスイーツ店のコラボ企画が決まったと連絡が入って、紗弥は急遽その打ち合わせに向かうことになった。企画はシンプルで、双方のお店が互いのお店の割引クーポン券を発行して相乗効果を狙うというものだったが、スイーツ店のオーナーがコラボをきっかけに“美容にいいスイーツ”を新たに商品開発したいと言い出したため、エステ店のスタッフの女の子も交えた三者の打ち合わせとなった。結局、その打ち合わせが長丁場となってしまい、普段より一時間半ほど遅くなってしまった。

 食事を終えて紗弥が食器を洗ってると、澪が通販サイトに掲載されている紗弥の写真を見つけて見せに来た。澪はどれもきれいに撮れていて、まるで別人みたいな画像もあると喜んでいた。紗弥は自分の画像は撮影直後にスタジオでチェックできたが、ルックス、スタイルに自信がなかったせいもあってあまり見ることはなかったが、澪はいつも探しては見つけて褒めてくれた。

 お店によって顔を掲載するしないの掲載方針があり、紗弥も顔なしで掲載される画像が沢山あったが、澪は“顔が掲載されていない紗弥”もよく見つけた。前に一度、どうして分かるのかと尋ねたが、澪が含み笑いを浮かべたため、紗弥は聞くのをやめた。その後、一緒に住んでるのだからすぐ分かると澪はフォローをしていた。

 食器を洗い終えると、紗弥はすぐにシャワーを浴びた。

 バスルームを出ると澪がソファで寝そべってテレビを観ていた。紗弥はその横に座って爪のケアをした。

「そうそう紗弥、冷蔵庫にコーヒーゼリーあるよ。あれ紗弥の」

 澪はテレビを見ながらそう言うと、身を起こしてソファでストレッチを始める。

 冷蔵庫を開けると紗弥が好きなホイップクリームたっぷりのコーヒーゼリーが入っていて、紗弥はすぐに開けて食べ始めた。

「ありがとね、いただき」

 ストレッチをしながら澪は笑っていた。

 澪は紗弥よりすらっと細身で、端正な顔立ちにブラウンベージュのウェーブがかったロングヘアがよく似合う、ちょっと都会的な女性に変貌した。ほかにも色彩検定2級と秘書検定2級の資格をもっていたり、ピアノが弾けたり特技が水泳など、同い年の紗弥には、現在進行形でスマートに垢ぬけていく澪が魅力的に感じられた。

 以前、澪が楽器屋さんに勤めていた時、紗弥が冷やかし半分で顔を出したら、澪がスクール用のピアノでショパンの「革命のエチュード」を弾いてくれた。ピアノを弾く澪を見たのは初めてだったが、澪のピアノの腕の凄さに感動して紗弥は思わずその場に泣き崩れた。それを見た澪は弾きながら爆笑していたが、笑いながら弾く澪もまた格好良くて大泣きした。

 紗弥にとって澪は色んな意味で特別な存在だった。紗弥は澪のことが大好きだったし、長く一緒に居過ぎたせいで実家の家族以上の存在だった。澪といられるならもうそれだけで十分で、澪がいない生活が紗弥にはむしろ考えられなかった。

「ごちそうさま。おいしかった」

 ストレッチを終えた澪が、ふいに食卓テーブルでスキンケアに耽る紗弥の向かいに座った。

「紗弥に報告。彼と別れた」

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