レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第12話)
カフェは混んでいたが空席はあるらしく、彩佳が店に入るとすぐに店員がやって来てレジから近い二人用の席に案内してくれた。
店内はボサノバがかかっていて、笑い声や食器の音が聞こえてにぎやかな様子だった。
彩佳は席についてすぐにアイスラテを注文した。斜め左前の席に座る30代くらい男性は、テーブルにノートパソコンを開いてキーボードを叩いていた。
彩佳は少し落ち着けた気がしてふっと吐息がもれた。
エリーゼのお店を出るとき、入るときには気づかなかったが入口に紫色の可愛い花をいっぱい咲かせた鉢が二つ置いてあって、思わず店内をふり返って花の名前を尋ねてみた。花の名前は「サマーミスト」というらしかった。綾子が笑顔で教えてくれた。
あれから由美子の表情には明らかな変化があったが、彩佳には自然な成りゆきに思えたし、あらためてソファテーブルで向き合う頃にはむしろ軽い達成感に浸っていた。
下着は由美子がすすめてくれたD70のフルカップのブラジャーと、同じシリーズのMサイズのショーツをそのまま注文して、自宅まで届けてもらうサービスを選んだ。
入荷するのが二日後でその日に受け取ることはできたが、綾子ではなく由美子に届けてもらいたくて、あえて綾子が休みの三日後の午前中に変更してもらった。
試着室を出る前にショーツの濡れを拭ったが、また少し濡れているのが分かった。
すぐ間近に迫っていた由美子の大きな乳房のふくらみに触れたくて、さり気なく何カップか尋ねて触れられないかなと思ったが、見られたいものや知られたいことが山積みで、五感が手一杯だったのと、触れると止まらなくなりそうでぐっと堪えた。
今ふり返りるとあの時やっぱり触らせてもらえばよかったなと彩佳はちょっと後悔した。
アイスラテを飲みながら店内を見回すと、レジの前にママ友らしき四人組の姿があった。
彩佳は一人ずつ体のラインやヘアスタイル、横顔をチェックして、後ろの三人はローターの“弱”でクリ責めをしながら指の第一関節だけで膣をたっぷりと焦らす微快楽プレイがいいかなと思った。一人ずつ順番で、あとの二人はショーツ一枚ですぐわきに座らせて、三人の反応をうかがいながら焦らして弄ぶプレイだった。それから精算中のもう一人の女性のTシャツ越しにかすかに透けるブラジャーの線を見つめながら、“はやくふり返って見せて”とつぶやいた。
女性がふり返ると少し下垂気味の大きな胸のふくらみが見えて、後ろ手に縛って陰部にバイブを押し込んで乳輪と乳首を刷毛で弄ぶ妄想に耽った。
ふと斜め左に目をやると、先ほどの男が横目でじっと彩佳を見ているのに気づいて、彩佳は男をぎゅっとにらみつけた。
精算して帰ろうと思って立ち上がったが、トイレに行きたくなって伝票をそのままにトイレに向かった。
ショーツも少し濡れていたし鏡も見たかった。
個室に入ってドアを閉めると、一人になれたせいか小さなため息が出た。
鏡を覗くと、あわてて飛び出したわりにゆるふわのローポニーと白のリボンはきれいに決まっていた。そういえば、さっきもっと大きな姿見の前にいたことを思い出して、おりものシートをつけながら彩佳は頬をぷっとふくらませて一人で笑った。
家に帰ったら由美子を脱がせて、ベッドの上で乱れたいと思った。“どこがいいのか当ててあげるね”と耳元でささやきながら性感帯を探すふりをして、敏感な部分を指で何度も何度も素通りさせながら由美子に言わせる遊びを思い描いた。
それからすぐにドアの外から子供の声が聞こえてきて、オナニーをしたい気持ちを抑えて、ピンク色のプリーツスカートに汚れがないことだけ確認してトイレを出た。
カフェを出ると強い日差しが眩しかった。