レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第43話)
ベンツの後部座席に移ってからも、乃亜はずっと腕の中にいた。
美由紀は乃亜と再会できてうれしかった。
乃亜はよりを戻したいといったが、美由紀が乃亜を拒む理由など何もなかった。乃亜が耐えた一週間が、乃亜にとってどれだけ苦痛だったかは、美由紀が一番よく知っていた。だから腕の中で泣き崩れる乃亜に何度も悪かったと謝った。乃亜の魅力は衝動的で自由奔放なことなのに、一週間も待たせて悪かったと謝った。
乃亜が取り乱しているときは、本人すら分からないでいるばらばらになった思いを、乃亜の目と唇をしっかりと見つめながら読んでやる必要があった。乃亜は思いを一生懸命言葉にしようとしたが、そもそも乃亜は何も悪くなかった。セフレの関係だったときから、乃亜はいつだって美由紀をつなぎとめることを望んできた。だから乃亜は何も悪くなかった。何度も謝る乃亜を美由紀は精いっぱい抱き締めた。
二人で再出発しようというと乃亜はまた泣き崩れたが、美由紀が付き合うことを決めた。涙目の乃亜が笑顔で頷いた。
美由紀が、二人でまた何がしたいか尋ねたら、乃亜は腕の中で、海に行きたい、遊園地に行きたい、SMホテルに行きたい、さっきのラーメン屋さんに行きたい、レザーのボディハーネスをまとってまた露出プレイがしたい、ショッピングやカフェに行って、色んな風景を見ながらカーセックスをして、今まで行った場所にもう一度全部行きたいといって笑った。美由紀は苦笑したが、全部しようと言うと乃亜がまた泣き出して、美由紀はワンピースでその涙を拭った。
さんざん泣き腫らした乃亜にアイスカフェラテをもう一杯買いに行こうとしたら、離れたくないといって抱きついてきた。それからまたセックスがしたいと言い出して、唇を寄せてきた。乃亜はいつでも“すべてが同時”だったから、笑顔も涙も、話しもキスもセックスも、すべてが同時に始まった。乃亜の可愛さは“特別”だった。
それからすぐにワンピースもキャミソールも脱がされた。ジーパンも脱いでひざに乗れと言う乃亜に、美由紀がまたがっていう通りにすると、乃亜の表情にようやく笑顔が戻った。ショーツ一枚で観念している姿を見せると乃亜はすぐにキスをしてきた。舌を絡めながら乃亜も上着を脱いでブラウスの前を開いて、ブラジャーをゆるめた。電動のリクライニングシートがフットレスになる間、乃亜は待ちきれずに何度もキスをしてきた。
車を二本の街路灯のちょうど間に止めたせいで、車内は暗かった。暗がりの車内でする乃亜の愛撫はいつも痴漢のようだったが、美由紀は久しぶりの乃亜の“痴漢の手つき”に激しく体が感じた。