レズビアンセックス/レズビアン・乃亜

年の差レズビアン長編

レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第52話)

 美由紀と入る半年ぶりのラブホテルに、乃亜は興奮した。嬉しさのあまり、ホテルの部屋に入るなり美由紀に抱きついてキスをした。美由紀は一瞬目を丸くしたが、すぐに悟ったようにノースリーブとジーパンを脱いで、下着姿で足早にバスルームへ向かった。後ろ姿が可愛かった。

 乃亜は美由紀を見送ってからソファでシャツとスカートを脱いだ。

 バスルームを覗くと、美由紀が洗面台の前で髪をアップにしていた。鏡越しに目が合うと、有線で流れる洋楽ロックに合わせてセクシーにお道化て見せて、ウィンクをしてきた。美由紀が自らお道化たりウィンクをして見せるのはその関係性が“正常である証”だった。

 美由紀の場合、それが本来の姿だった。何でも率先してやりたがったし、言いたいことは何でも口にした。ただ過去に周囲から空気が読めない、配慮がない、浮いている、あるいはドン引きに気づかないと何度も指摘を受けたらしく、対処が面倒くさいという理由から“人見知りという仮面”を被って生きていた。

 マッチングアプリで初めて出会った日、乃亜が何度か愛想笑いをしたら、無表情でボソッと「笑いのツボ、浅いですね」と美由紀に呟かれたことを思い出して苦笑した。

 美由紀はどんな無茶振りも、できる出来ないにかかわらず受けて立ったし、人前で尻込みしたり怖気づくこともなかった。

 二人で繁華街を歩いていた時も、外国人ダンサーが路上でダンスパフォーマンスを披露しているのを美由紀が目を輝かせて見ていることに気づいて、乃亜が「いっしょに躍ってきたら?」と言ったら、「いいか?」と嬉しそうに駆けて行って二人で格好よく躍っていた。ダンスの経験は無かったが、見まね手真似で何でもチャレンジしようとする美由紀が乃亜は大好きだった。

 何を振っても引き受ける美由紀は格好よかった。

 派手にお尻を振ってお道化て見せる美由紀は、今日は黒のモールドカップのブラジャーに黒のTバックを着けていた。あまり締めつけ感のないTバックをちょっと下げ気味にルーズに穿くこだわりがあったが、今日も少し下げ気味に穿いていて笑った。

 美由紀は美形のどちらかというと和美人で、ハイライトがなければ物静かでおしとやかな印象を与えた。
 眉をひそめるときに見せるどこか物怖じしたような目つきが可愛かった。向かって左下のあごにあるほくろと、くすんだオールドピンクのリップがアクセントになって、口角が上がったときの口元をチャーミングに引き立てた。唇はまるで透き通ったグミキャンディーのようにぷるぷるしていて、思わず吸いつきたくなるような魅力があった。

 以前、飲み屋のカウンターで、二人でふざけて“あひる口でチュー”をしたが、それを見ていたお店のママさんが、美由紀はそのままであひる口だと笑っていた。美由紀の唇を見て「思わず吸いつきたくなる」と言うママの目の前で、美由紀に熱いキスをして見せびらかしたら気分がよかった。

 乃亜はいつでもキスをさせてくれる美由紀が大好きだった。

「なあ美由紀、キスしようぜ」

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