感じるセックス/レズビアン・愛良

年の差レズビアン長編

レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第18話)

 エッチが好きな理由を尋ねたがる人がいるが、愛良はひと言「気持ちがいいから」と答えることにしていた。

 それ以上の言葉は不要だった。

 エッチ好き同士が、どうして私たちこんなにエッチが好きなんだろうねと、理由を求めて探求することは楽しいが、興味本位で尋ねてくる人や本当はエッチなのにそれをただ隠しているだけの人には

「知ってるでしょ?」

 としか言えなかった。

 あと、そもそもエッチに嫌悪感や警戒心、懐疑心を抱いている人とは分かり合えない気がして取り合わなかった。

 しいていうなら、エロいと感じるモノが人より多いだけで、それはスイーツ好きがスイーツばかりに目が行って、口にする頻度が高くなるのと同じで、愛良にとっては自然なことだった。

 愛良が苦手なのは、エッチに哲学的な人や難しく捉える人、テクニックで抱こうとする人、変なプライドを持ち込む人で、そういう人たちに限って愛良を冷めさせてしまうのに気づかないことが多かった。

 先にエッチ抜けしただけなのに、涼しい顔で愛良に

「まだするの? エッチだね」
 なんて言う位なら、パンツ被ってはしゃいでる人の方が、次の時もはるかに自分を見せれたし感じた。

 エッチは恥ずかしがらずにプライドを捨てて、したいこと、して欲しいことを全部さらけ出して、バカな自分を全部すっきり見せた方が気持ちよくなれた。

 だから愛良はいつも全部見せるし、相手が恥ずかしがっていたり隠していたら、愛良がまずすべてを見せて、引かないから教えてと尋ねて二人で一緒に気持ちよくなろうとした。

 たとえ相手が「パンティフェチ」の男だと判明しても、相手がそれで興奮できるなら、その方が愛良も結局気持ちよくなれた。

 フェチ男はフェチが共有できると“よそ見しなくなる”ことも知った。愛良はエッチに素直な相手の方が感じた。

「そういえば元旦那と仲良かった時に“して欲しいこと”ねだれなかった。」

 ドライブの最中に

「愛良はどうしてエッチが好きなの?」

 と園花に尋ねられたのがきっかけで、愛良がそんな雑談をしたら、園花がそう言って笑っていた。

 お互い裸なのにまだ隠しごとをするよねと爆笑して、それから二人でセックスのダメ男の体験談やねだって疲れてもいても、添い寝したり抱き締めてくれる相手がいいよねとか、夜這いされて燃えたとかそんな話しで盛り上がった。

 園花はマッチングアプリで知り合った“ミユキ”という女性と週末に会うと話してくれた。

 女性のことは何も話さなかったし、愛良も尋ねなかったが、早くいい人が見つかるといいねと素直に応援した。

 それから園花はカフェで愛良が話した“激しくてエロいプレイ”について尋ねてきたら、愛良はローター遊びやソフトな縛りや露出プレイなどについて話した。園花は目を丸くしていたが、興味津々な様子だった。

 246号線に入ると、園花がここの角に昔「びっくり寿司」というお店があって、小学生の頃に親によく連れてってもらったと話した。園花はカウンター越しに握ってくれる板前さんに直接注文する勇気がなくて、こっそりお母さんに頼んでもらっていたが、厳格なお父さんに食べたいものは自分で注文しなさいとよく怒られたと思い出話をしてくれた。

 それから適当にドライブをして、帰りがけに園花のマンションの下にあるパスタ屋に寄った。

 時計を見るとすでに19時半を少し回る閉店間際だったため、また今度にしようかと二人で話していたら、店主が出てきて快く迎え入れてくれた。

 通りがかりに挨拶をしたり、時どき利用する園花のことを店主が覚えていてくれたらしく、簡単なものでよいと言ったのに、腕を奮って具だくさんのパスタをご馳走してくれた。食後には余りでよかったらとフルーツゼリーも出してくれた。

「ごちそうさまでした」

「美味しかったです。ごちそうさまでした」

 園花とはそのお店の前で別れた。

「じゃあまたね。愛良ちゃん、今日はありがとう」

「うん、楽しかった。またドライブ行きたいね。おやすみ」

 愛良が自宅に着いたのはそれから20分後だった。

 シャワーを浴びようとバスルームで服を脱いでいたら、ショーツの中からローターが出てきた。

 電池はとうに切れて動かなくなっていたが、いつ息絶えたのか気づかなくて愛良はちょっと吹き出した。

 黒色の小さな可愛いローターだった。

 コードがない遠隔タイプのもので、ボタン電池の交換に少しコツがいったが、ショーツに入れていても邪魔にならない小さくて頼れるローターだった。

「またいっしょにお出かけしようね」

 愛良はローターにそうつぶやいて洗面台に置くと、バスルームに入った。

タイトルとURLをコピーしました