ふと母が話してくれた幼い頃の思い出話が脳裏をよぎる。
「“お出かけするけど、知らない人がお菓子あげるといってもついて行っちゃだめよ?”と言ったら瑠衣ったら“はい!”と元気よく返事ができてね。でもよく見たらお洋服のボタンをかけ間違えてるの。それも上から下まで全部よ。だからお母さん“一つまちがえたら後のも全部まちがえちゃうから、一番さいしょをよく見てね”と言ったわ。そしたら“はい!”って。瑠衣はとっても可愛かったな——」
知らない人にチョコレートをもらい、ボタンをかけ間違えてしまった自分が歯がゆかった。
パーソナルスペースを確保してリーダーたる一日の始まりを鼓舞するはずのボックスシートで、陰部の割れ目を濡らし膣壁を痙攣させている自分が恥ずかしかった。
オペレーターのひしめくブースに指示を出し華々しく仕切るはずのリーダーが、見ず知らずの女性にそそのかされてショーツの中を弄られていることが悔しかった。
いやらしい指づかいを助長するかのように卑猥な振動を加え続ける車両も恨めしかった。
やがて女性の指先にクリトリスを探り当てられて思わず遠目になる。
「だめっ……ああんッ」
優しくそっと触れられるだけで逝きそうになるのに、ぐりぐりと圧し潰すような容赦ない指づかいに瑠衣はこぶしを握り締めて首を振る。
強烈な摩擦のせいで敏感なクリトリスが熱を帯びておかしくなり始めていた。
女性は瑠衣の反応を楽しむかのようにクリトリスを激しく左右に揺らし上下に叩き、何度も何度も撥ね上げる。
「ぁあ、ああっぃああ……ああッ」
こりこりに勃起しているのが自分でも分かった。
包皮の上から撫でるだけですぐに硬くなってしまうクリトリスをそんなに触らないで欲しかった。
割れ目の粘膜もクリトリスももみくちゃにされて呻き声のような変な息が洩れた時、女性が唇を重ねてきた。
「ん、んぐ……ッ」
しっとりとろけるような唇の感触に包まれて、瑠衣は身震いするような強烈な快楽に襲われた。
かすかに開いた女性の唇から興奮しているようないやらしい息づかいが洩れていて、膣壁がぎゅんぎゅん収縮し始める。
膣から溢れ出た粘液がお尻の下まで伝ってショーツをぐっしょり濡らしているのが分かった。
肩を抱かれながら唾液たっぷりの女性の唇にまみれているうちに、それを拒むのを忘れている自分に気づいて瑠衣は慌てて顔を背けようとしたが、次の瞬間舌が入り込んできて思わず息が上がった。
「んっ!……んん、んぐ……ッ」