レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第8話)
足早にバスルームへ向かう澪を目で追いながら、紗弥はその背中にそっと呟いた。
“彼氏といる時の澪ってどんなふう? 甘えん坊? それとも私がよく知るいつも澪?”
中田紗弥が芦名澤澪とルームシェアを始めて12年。
幼なじみが再会して二人で住み始めて、三度の引越しと数えきれないくらい喧嘩をして、それでも今日まで仲良しラブラブでやっている。
職場の同僚たちは結婚したり出産を経験したりと、変化に富んだ目まぐるしい毎日を送っているようだけど、私と澪の生活は何も変わらない。
二人が始めた一つ屋根の下の生活は、一緒に宿題をしたりお風呂に入った子供の頃のまま。年に何度か実家に帰る時は同じ列車に乗って同じ駅で降りる。じゃあねと手を振って別れる場所は小学校からずっと同じで、待ち合わせの場所も出発の合図も変わらず同じ。
「おばちゃん、何か言ってた?」
「早く結婚しろだって」
12年も一緒にいると、お互い彼氏ができただのできそうだのと恋愛話が飛び交って、励ましたりその彼はやめた方がいいなんてなだめたりする場面もしばしば。
恋愛が破綻してふさぎ込んでいる時は絶望の崖っぷちにいるような気分になるけれど、ふと気づけばどちらかが寄りそって支えるという役回りがすっかり定着して、食卓テーブルという現実に呼び戻す作業も恒例の行事になっていた。
涙目で
「ずっといっしょだよ」
とつぶやくと黙って頷いて、それからおもむろにインゲンの鮮やかな緑色の出し方などについて語ってくれる澪。
“ずっといっしょの二人暮らしが、まさかこんなに長くなるなんてね。長いながい”
紗弥は澪がバスルームでシャワー浴び始めたのを確認して、自室に入って後ろ手にドアを閉めた。
それからベッドに横になってスウェットパンツを下した。
枕もとのスマホをとって通知を確認する。
「メールなし」
紗弥がオナニーをするのは、澪が確実に外出している時とシャワーを浴びるタイミング、それから澪が眠りについた後の深夜だけ。ただし深夜はローターの振動音やバイブの回転音が部屋の外に漏れてしまいそうで、怖くて使ったことがなかった。
紗弥はバスルームの音をもう一度確認して、ショーツを脱いで宙を眺めて、それからため息をついた。
最近アンダーヘアの処理をさぼっていたせいで、割れ目にはそこそこじょりじょりとした手触りがあった。
“そういえば澪はVIOすべて永久脱毛して、今も絶賛パイパン中だったよね”
でもそれからあまり二人でお風呂に入らなくなった。
紗弥は脱いだショーツをお尻の下に敷いて、両手で大陰唇を広げると、クリトリスの裏に中指をあててはね上げるようにビンビンと刺激した。何度もくり返していると、時々指先がクリトリスの先っぽをかすめることがあって、ビクンと思わず腰が引けた。何度かそうやっていると膣からみるみる粘液があふれ出てきて、いつの間にか割れ目をつたってお尻の方までヌルヌルになっている。
“お尻の穴、いいかな……”