レズビアン官能小説長編「年の差レズビアン・ディープ・ラブ」(第3話)
林美由紀はメールの着信音でアプリ内通知に気づいた。
マッチングアプリの利用者は老若男女問わず幅広く、最近は異性との出会いにとどまらず、同性愛者やバイセクシャルの女性との出会いも見込めるため、美由紀のような根っからのレズビアンにとっては、特定の女性と同性愛について継続的に語り合える数少ないアプリだった。
恋愛観や女性同士のエッチについて前置きなしで話せるのもよかった。不特定多数の目に触れるスレッドや公開メッセージでなく、個別に飛ばせるメッセージではけっこうディープな誘いもまじっていて、価値観の違いに困惑したり、性的興奮を煽るいやらしいメッセージや画像なども楽しめた。
美由紀はベッドから起き上がってドレッサーの前に座った。
“私の敏感な乳首を激しく責めてくれる女性募集中 舐めネコれな”
“クリちゃんがおっきいアラサー女子いる? じゅりあ”
“ドM変態30代雌を躾けてくれる方 りりあ”
一時は明らかにサクラだと分かるくだらないメッセージが過半数を占めていたが、最近はメッセージに数枚の画像を添付して、実在をアピールするメッセージも多くて、通知を見るだけでもそこそこ楽しめた。
美由紀はブラジャーをとり、右手で左右の乳房をまさぐりながら「舐めネコれな」の画像を開いた。
口元から下のバストアップショットで、小ぶりな乳房を手のひらですくい上げ大粒乳首を見せつけるような決めポーズだった。手書きで“びんびん”の文字が加えられている。2枚目は可愛いフリルのカーディガンとスカートでスタバのテラスと思しき場所での部分ショット。3枚目は全裸でM字開脚をしながらのけ反って、首から下を撮影した画像だった。敏感乳首を強調したつもりなのだろうけどピントがアソコに合っていて、毛はきれいに処理されていてつるつる。割れ目からわずかにビラビラがのぞいていた。
「乳首いいよね、やみつき分かる」
りりあの画像を覗いた。
りりあはちょっと太めの女性で、白の下着姿に真っ赤な首輪をつけて姿見の前に立ったセルフショットが1枚目。2枚目は口元アップで舌を出しておねだりするりりあ。3枚目は全裸で胸を手で隠しながらベッドにたたずむ画像。
美由紀はショーツを脱ぐと、無造作にクリトリスをまさぐりながら呟いた。
「もっともっとエロいの見せて……」
通知のなかにはごく普通の出会いを求めるメッセージも3件まじっていた。
美由紀は少し硬くなったクリトリスを指先で撫でながら、42歳からのメッセージを開いてみた。
“人肌恋しい季節になる前に。年下希望 薗華”
添付画像はグレーのパーカーにジーパン姿で、姿見の前で撮った一枚のみ。プロフィールページをのぞくと、バツイチで寂しがりやのスポーツ好きだと分かった。
中指で軽く勃起したクリトリスの尖端を撫でながら「薗華」の画像を再び開き、それからドレッサーの鏡に映る自分の裸体に一度目をやって立ち上がった。
ベッドに仰向けになって遠目に画像を見つめながら「遊びとまじめ、か・・・私の境界線ってどこ?」美由紀は呟いてみた。