洩れた逝き声/美智代

年の差レズビアン長編

 美智代は亜沙美の顔を見上げてほくそ笑んだ。亜沙美は顔をしかめて三度首を振ったが、美智代はスルーして手を動かし始めた。

 唾液まみれの亜沙美の乳首は、咥えようと吸い上げるとどうしてもちゅるっと卑猥な音が洩れた。右手の中指の腹でクリトリスを少し強めに押し潰すように刺激すると、亜沙美は足を閉じようと身じろぎした。左手でショーツを肛門に押しつけると、亜沙美が変な息を洩らした。美智代はトイレにほかの女性がいる方が、はるかに気持ちが高ぶった。

 亜沙美は口をつぐんで必死に堪えていたが、鼻と口を手で押さえても、すき間から尋常でない息遣いが洩れ始めていた。

“ギャラリーの女性”は個室に入ったまま動く気配はなかった。

 美智代は少し強めに乳首を吸った。乳房と唇のすき間から空気が入ってぶぶっという卑猥な音がトイレに響いた。じっくりと吸いながら、口の中でいやらしく伸びた敏感な乳首を舌でたっぷりと弄んだ。緊張のせいで一旦解れていた乳首がまたすぐに勃起し始めているのが分かった。

 クリトリスを下から撫で上げるように弄んだ。クリトリスの裏側に中指の腹を当てて、指先でかすかに持ち上げるようにすると亜沙美は腰を小刻みに震わせて感じた。

 “亜沙美がお気に入り”の肛門オナニーも再開した。さっきと同じようにショーツに指を三本添えて、美智代は遠慮なく何度も押した。ショーツが穴に入ってしまうのではないかというくらい、渾身の力を込めて何度も何度も押し続けた。

 それからすぐに亜沙美の限界は来た。女性のいる個室からトイレットぺーパーを引っ張るカラカラという音が聞こえてきた時だった。

「だめイクっ、うぅっ!」

 亜沙美は一瞬体を強ばらせた後、体をのけ反らせて腰を小刻みに揺らし始めた。美智代はオーガズムに達して激しく腰を揺さぶる女の体を太ももで受け止めた。亜沙美はこぶしを握り締めながら何度も腰を揺らして、いやらしい女の呻き声を洩らした。どんなに堪えようとしても洩れてしまう、喉から洩れる“女の逝き声”だった。

 女性は亜沙美がオーガズムに達している間、まるでその声を聞き入っているかのようにペーパーを巻き取る手を止め、トイレに静けさが戻るとまたカラカラと巻き始めた。

 亜沙美は興奮した表情を浮かべながら涎まみれの唇でキスをしてきた。舌を絡めた派手なキスだった。美智代は亜沙美にゆだねるように舌が絡め、唇を吸って、唾液が弾ける音を楽しみながら余韻に浸った。

 二人がキスを終えるまで、女性が個室から出て行くことはなかった。

タイトルとURLをコピーしました